元管理栄養士CRC×元CRC転職コンサル 対談・インタビュー#02


更新
lemonさん
管理栄養士を5年以上経験後、治験コーディネーターに転職。
「CRCを目指す方、CRCになりたての方、CRC対応にお困りの方(CRAさん)等のお役にたてますように」をモットーに積極的にSNSで情報発信を行う。
CRCJOBの中の人
(以下CRCJOB)
新卒からCRCになり、約3年経験後転職エージェントに転職。
CRCの経験を活かしながら日々転職支援を行う、臨床検査技師免許・キャリアコンサルタント免許を持つ、異色の転職エージェント。
コロナをきっかけに、知名度の上がった“治験”という言葉。
その治験を支えるCRCという職種も、某ドラマで取り上げられるなどして(取り上げられ方は不本意であったが)以前より知れ渡るようになり、転職の選択肢に加える人も増えている。
が、大手転職支援サイトの上辺だけの売り文句に騙され、転職を失敗する人や「思ってたのと違った!」と転職後にミスマッチを感じる人は少なくはない。
前回の対談記事が大変好評いただき、今回は現CRC(元管理栄養士)をお招きし、現キャリアコンサルタント(元CRC)が、さまざまな視点からCRCについてお話します。
管理栄養士からCRCへの転職
CRCJOB)そのつらい環境で5年以上頑張って、いざ転職しよう!と思ったきっかけって、あったんですか?
lemonさん)もう「無理―!!!」ってなってですよ(笑)キャパオーバー(笑)
CRCJOB)なるほど(笑)
lemonさん)その頃腸活とかインナービューティー系が流行ってた時期だったので、管理栄養士の資格と経験を活かしてインナービューティー系のお仕事か、運動と食事管理のパーソナルトレーナーもいいな~くらいで考えていて、「つらくて辞めるんじゃなくてそれになりたいんだ!」って気持ちをごまかして、次も決めずに「辞めます!!」って退職届を持っていきました。
CRCJOB)すごい!思い切りが!でも辞めたくて辞めるんじゃなくて、やりたいことがあるので辞めるって素敵な考えですね。
lemonさん)自分を洗脳してたんです(笑)
CRCJOB)(笑)
lemonさん)今となってはそう思います(笑)
CRCJOB)(拍手)
lemonさん)一生懸命辞める理由を探していました。「やりたいことがあるんだ!」って。このままだと精神的に病んでしまうと思ったし、家族も家で仕事している姿を見ていて、時には泣いてる姿も見ていたので、「もういいんじゃない?」って言ってくれてましたね。なので、自分を洗脳して、辞めました。
CRCJOB)なるほど~。じゃあ転職活動の最初の頃はインナービューティー系やパーソナルトレーナー系の方向で進めていたんですか?
lemonさん)それが受けてないんですよ(笑)
CRCJOB)えええええ(笑)
lemonさん)やっぱり自分の住んでいる地域でそういう求人が無いんですよね。都会に行かないと無くて…。大学の先輩がインナービューティープランナーの資格を持ってカフェの経営をしていたので、お話を聞きに行ったりはしたんですが、じゃあいざ自分がお金かけて資格取ってそういう仕事に就いて、お給料も高くない中でやっていくかって考えたら現実味が無くて…結構こういうところは現実的な思考回路なんです(笑)それでインナービューティー系やパーソナルトレーナー系はないなと思って、大人しくハローワークに行きました(笑)
CRCJOB)THE正規ルートですね(笑)
lemonさん)仕事探すってなったらやっぱりハローワークかなと思って(笑)
CRCJOB)で、そこで出会ったんですね、CRCに。
lemonさん)そうです。でも治験のおねいさん(@chiken_no_lady)も言ってたように、高い学費払ってもらって資格を取ったので、管理栄養士として働かないことが親に本当に申し訳なくて。仕事を辞めたことも、管理栄養士以外の仕事を探してることについて親は何も言わないんですけど、どこか申し訳ない気持ちがあって…管理栄養士の資格が活かせることを条件に仕事を探すんですけど、前職(ハイレベルなクリニック)の業務内容を超える求人が出てくるわけないんですよね。
CRCJOB)ですよね。
lemonさん)仕事のレベルは下げたくなかったので、ないな~ないな~って色々探してたら治験コーディネーターって言うのが出てきて「なんだ?!給料めっちゃ高いぞ?!」って最初はそこに魅かれました(笑)
CRCJOB)お金大事です(笑)
lemonさん)で、仕事内容を見たら「めちゃくちゃ面白そう!」と思ってとりあえず応募してみました。
CRCJOB)じゃあ応募した後に調べて、面接対策をしたんですか?
lemonさん)それが私あんまり調べた記憶が無くて…やばいですよね(笑)
CRCJOB)ええ!!
lemonさん)だから私の転職活動は参考にならなくて、人の転職の相談とか乗れないなって思ってるんですよね(笑)私が応募したのは中小SMOだったんですが、「オフィスが都会にある~!素敵~!給料高い~!お仕事楽しそう~!」くらいにしか思ってなくて、それで応募してました。
CRCJOB)面接で何話したんですか…?
lemonさん)何話したかな~…全然記憶がないです。ただCRCの仕事のことはあまり聞かれなくて、前職で何やっていたかとか、長所短所とか…?普通に会話するような感じでした。面接官も人事ではなく現場のリーダーだったので、何とかなったのかなと思います。この調子で大手SMOに応募してたら即落ちてましたね(笑)
CRCJOB)でもSMOにもよりますが、昔は応募条件も選考難易度も緩かったところはありましたね。あとSMOによっては素養重視で、面接での対応力で判断してることもありましたね。ただそれが通用するのはlemonさんみたいなポテンシャルの高いごく一部の人です(笑)
lemonさん)そうなんですね。
CRCJOB)でも素養があっても事前に勉強しておくことで、転職後のギャップは防げますからね。大事です。コメディカルからの企業への転職はキャリアチェンジで覚悟が必要ですし。
lemonさん)たしかに。
CRCJOB)ちなみに、言葉は悪いんですが、CRCについてよくわからない状態で転職をして、働き始めてから苦労はしませんでしたか?
lemonさん)あ~小さい苦労は挙げたらキリがないですね、ただ今に至るので大丈夫だったと言えるのかな~。でもやっぱりビジネスマナーは今でも苦労してますよ、なんなんですかねビジネスマナーって(笑)今も悩みながら、Google検索しながらメールを作ってます。あと語彙力の無さですかね…。でも、どの仕事もそうですよね。
新しい仕事を始めるってなったら知識の習得に苦労するじゃないですか。GCPのこと、治験のことを覚えるのは大変ですけど、知識が増えていくのは楽しいです。
あ、でも新人の時に一番苦労したのは先生とのコミュニケーションだと思います。
CRCJOB)なるほど…。治験について、ビジネスマナーについてとかは「これ勉強して」って会社から指示を受けて勉強されたんですか?それとも自発的に?
lemonさん)あー、これやっておいてねって言われたことを自発的に広げて勉強していったって感じですね。
CRCJOB)さすが…。やっぱ素養があるんですね。そうやって自発的に勉強出来る人ってすごいですよ。職務経歴書とか書類の出来栄えを見ただけでそういうのって伝わってくることがあるので、きっと伝わったんでしょうね。私もlemonさんだったら書類通すと思います。
lemonさん)ありがとうございます(笑)昔から向上心は高いほうかもしれません。やってる中でわからないことが多すぎて、仕事中にこれなんだろうって調べてたら終わらないです。最初の配属先は少人数体制で複数の試験を回していて、社内でも有名な厳しい先輩が集まっていた施設だったので、そこに飛び込んで、時にはヨイショしながら(笑)楽しんでやってましたね。色んな先輩についていきながら、お仕事を見させてもらって学ばせてもらいましたが、いざ自分がCRCとして先生とやり取りをするってなると知識が無いので説明ができないんですよ。「これだからこうなんです」って流れとか根拠を言えない。しかもちゃんと理解していないから、言っても相手に理解してもらえない、焦って日本語変になっちゃうし…わ~~~!ってなりました。また最初の担当施設の先生が寡黙な先生で…本当に大変でした、今思うと。
CRCJOB)AかBか聞かれたら「Aです」とは回答できるけど、じゃあなんでAなのかが説明ができない感じですよね。
lemonさん)そうそうそう!
CRCJOB)わかります…根拠が説明できないのに医師に「こうです、これやってください」って言うの、CRCとして、いやもう社会人としてどうなの?って思いますよね・・・。(過去を思い出して自己嫌悪)
lemonさん)また治験って通常診療と違う考え方で、対応も異なったりするので、それに対して「え?なんで?」って聞かれなかったからまだ良いにしても、こちらの拙い説明でやってもらって、「ん~説明になってなかったな~」「あ~あ…」ってもやもやしながら対応して、でも終わったら終わったで「よし今日も乗り切った!」って達成感は感じる、の繰り返し。
CRCJOB)そこで悔しさを感じて頑張るか、自分には向いてないって諦めるかで今後が変わってきますよね。
lemonさん)ですね。
CRCJOB)負けず嫌いだとそこで勉強して挽回して続くんですけど、「ああ自分ダメだ…」ってなると辞めちゃうんでしょうね。
lemonさん)たしかに。あと、先輩がいるかいないかですかね。私の先輩は「だめじゃーん」とか「まだ新人で・・・申し訳ありません」とか言う人で、その言葉のチョイスが正しいとは思わないんですけど(笑)そういうやりとりとか先輩の姿を見て、ちょっとずつ医師とのやりとりを勉強していったのでよかったですね。これが1人だったらどうしたら良いのかわからないだろうし、面白くないってなるんだろうなって思いました。
CRCJOB)うんうん。
lemonさん)あと、まだ私は人と話すことが好きで、最低限のコミュニケーション能力があったので、治験の知識が無くてもやっていけたのかなって思います。
CRCJOB)おっしゃる通りですね。話せないと仕事になりませんからね。
lemonさん)そうなんですよ~!だからあんまり話すのが得意じゃない人が、どうやってCRCとして成長しているのか気になります。そしてすごいと思います。
CRCJOB)私は最初にメンターについた先輩があまり話すのが得意な人じゃなくて、IC後の先生の待ち間、被験者さんと向かい合って15分くらい無言のまま座ってて、「これ何タイム?!何か話さないの?!」って私だけ焦ってました(笑)それでもその先輩はCRCを続けてたので、本人は一切気にしてなかったのかもしれませんね、図太い神経だな~と思いました。
lemonさん)そこなんですよね!神経が図太くて、若干のコミュ障でも違和感を持たないからやっていけるんでしょうね。
CRCJOB)そうですね!すぐ違和感を持っちゃうので1人でそわそわしてました(笑)
lemonさん)神経が図太くて、空気が読めない人だとやっていけるかもしれない(笑)
CRCJOB)神経が図太いと生きやすいと思います。
lemonさん)それはありますね~!ある程度神経太くないとやっていけない。神経を鍛えて、ちょっとずつ図太くなるしかないですね。
CRCJOB)未経験の方によく「どういう人が向いてますか?」って聞かれるんですけど、色々あって。話すのが好きな人、人見知りしない人、扱うものがものなので真面目な人とか、几帳面な人とか。でも全部当てはまってても図太くないと辞めちゃうんですよね。
lemonさん)たしかに!
CRCJOB)なので結論:図太い人、になるんですけど、いきなりそうは言えなくて(笑)仮に言ったとしても「あ!わたし図太いんで大丈夫です!向いてます!」って人は、それはそれで困るし…。図太いを長所として捉えない人もいますしね。
lemonさん)でもたしかに神経が図太いというか、メンタルは強くないとやっていけないですね。経験を重ねて、医師とのコミュニケーションが取れるようになったら、独り立ちした後のトラブルという次の壁がやってくるんですよね!インシデントの対応とか。
CRCJOB)やってきますね!そこからは頭の回転ですよね。
lemonさん)ですね。
CRCJOB)正解が何かはもうわかったので、じゃあそこにたどりつくまでのフローをいかに効率的なものにするか、のような気がします。なので、このあたりから“仕事のできる先輩”と“仕事のできない先輩”がわかってくるんですよね(笑)
lemonさん)わかりますわかります(笑)「この先輩めっちゃ空回りしてるな」とかね。
CRCJOB)後輩のくせに何様だってなっちゃうんですが、ある程度仕事がわかってくると、仕事のできる人できない人がわかる時期に入ってしまう(笑)
lemonさん)そうなんですよね~、なのでいかに新人のうちに色んな先輩のやり方を見て、良いところを盗んで“自分”というコーディネーターを確立させるかが、すごく大事だと思います。
CRCJOB)たしかに。
lemonさん)教えてもらったことをまずは全部受け止めて、そこから取捨選択ですね。
これまでの対談で気になったことがあれば、
CRCJOBまでお問い合わせください!
ご転職の相談もお待ちしております。